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今年もあと一日となり、大晦日の夜はいつも通りテレビを見て過ごすでしょうから、ブログ
投稿も今年はこれが最後になりそうです。

今年は9月で37年半のサラリーマン生活にピリオドを打ち、新たな生活を始めた記念すべき
年となりました。会社という組織に縛られることがない生活は、気楽である半面、自分自身が
しっかりしないと何処までもずるずる自堕落になってしまいますから、それなりに気を付けて
日々充実させるよう心掛けています。3か月近く経って徐々にペースを掴みかけてきた感も
ありますが、来年はそれを更に充実させたいと思っています。

いずれは何か社会貢献の様なことも考えなければいけないと思いますが、今暫くは自分の
好きなことを、身の丈の範囲で存分にやって行こうと思います。その中心となるのは「美しい
ものを見つめる」ということかなと思っています。それは音楽や文学、美術等芸術の枠に
留まらず、様々な文化や人間の営み全て、あるいは自然を通して、その中から本当に美しい
ものを見つけ、それを見つめたい、ということです。美しくないものから目を背けるという
ことではありません。60年余という凡人には十分長過ぎる時間の中で、美しくないもの、
汚いものは嫌でも目に入ってきます。そんな、色々目に入るものの中から本当に美しいものを
見分ける、見つけ出すという作業です。これまでの経験に照らすと、ただ漫然と目の前のものを
見ているだけでは、真に美しいものは決して見出せません。それにはそのための意志と努力が
要るし、その基礎となる知識も必要です。信頼出来る人が「良い、美しい」というものを
見ることは幾らか近道ではありますが、それさえヒントに過ぎず、自分の五感を通じて心から
美しい、本物だ、と思えるかどうかが全てです。直ぐに見つかることもあるし、何年掛っても
理解出来ないこともありますが、兎も角色々見つめ続けるしかありません。何年も判らなかった
ものが、ある日突然理解できる時の喜びは格別です。そして、そうやって見つけた自分にとって
美しいものは、無形の財産となり心の糧となります。これから何年生きられるか判りませんが、
慌てず焦らず少しずつそういうものを蓄えて行きたいと思います。

今年一年、拙ブログをご覧頂いた数少ない皆さまに厚く御礼申し上げます。
新しい年が皆さまにとりまして良い年となりますようお祈り申し上げます。
来年も何卒宜しくお願い申し上げます。
久々に「室町砂場」に行ってきました。以前は大晦日の開店前に並んで年越蕎麦を食べていたの
ですが、一人だけ並んでいて開店直前に一族郎党がどっと来るような、マナーの悪い客がいて
嫌気が差し、ここ数年は別の店にしています。半年位ご無沙汰していたので、大晦日でなければ
大丈夫だろうと思って、開店の11:30に合わせて行ったのですが、何と長蛇の列で度肝を抜かれ
ました。丁度開店と同時位だったようで、直ぐに列は捌けて行きましたが、それでも数組並んで
暫く待つこととなりました。10分位待って入店。

中へ入ればいつも通りの落ち着いた空間です。ビール、熱燗、浅利煮、卵焼き、焼き鳥、せいろ。
まつやの庶民的な雰囲気とは又少し違うのですが、ここはここで何とも言えないまったりした
雰囲気が漂っていて、酒が最高に旨く心が癒されます。小一時間で退出しましたが、外はやはり
長蛇の列でした。


先週土曜昼には根津の「よし房凛」に行きました。ここは2カ月振り位でしょうか。12時過ぎに
着きましたが、誰も外で待っていないのでやれやれと思いつつ戸を開けましたが、丁度満員。
外で10分近く読書しながら待ちました。3人客が出て、右奥の4人掛けテーブルに通されました。
ここは蕎麦も酒肴も旨い上女将の気働きが抜群のお店で、安心して飲めるので、夜に結構友人を
連れて来ています。昼間は酒肴がやや限られますが、それでも過不足ありません。ビール、
燗酒に酒肴2品、最後は大好きなきざみ蕎麦を頂いて同店での今年の締めとしました。
by nakayanh | 2010-12-30 00:51 | 蕎麦
銀座インズ2にある「銀座Swing」で「Revolution-9」というビートルズのコピーバンドを
聴いてきました。

銀座スイングには30年近く通っていますが、基本的にジャズのライブハウスで、ロックの
バンドが出ているのを知りませんでした。今回は音楽好きの友人に誘われたものです。
ビートルズと言えば私の青春のかなりの部分を占めており、2百何曲かの内の9割方(つまり
ホワイトアルバムの何曲か以外)は歌えるでしょう。レコードで揃え、CDで買い直し、数年前
にはビートルズボックスも買い、他にもアンソロジーや楽譜全曲集、解散後のソロ活動CD等々、
私が断トツに金を注ぎ込んだミュージシャンです。誘いには二つ返事で行くことにしました。

バンドのリーダーは元チューリップにいた上田雅利dr、他に伊豆田洋之b、p、杉原英樹g、
太田シノブg、bの4人で全員がヴォーカルもやります。伊豆田氏がポール、太田氏がジョン、
杉原氏がジョージが基本の役割のようですが、上田氏はジョンを歌ったりリンゴやジョージを
やったり色々です。ビートルズの曲を3ステージ、各10曲位ずつ。ポールもなかなかですが、
太田氏のジョンが一番それらしく思いました。ハモンドオルガンやシンセサイザー、インドの
楽器等は有りませんが、それぞれのオリジナル演奏に近い音を出していて、よく雰囲気を出して
いました。演奏は当時のビートルズよりずっと上手いでしょう。ゲストとして「ウイスキーが
お好きでしょ」のCMソングを作曲した杉真理氏(おじさんです。)が各ステージ2,3曲一緒に
歌いました。

7,80人収容の客席は超満員、7割方が30~60代の女性。50代半ば以下はリアルタイム
では経験していない筈ですが、皆乗りまくって聴いていました。ビートルズのファンなのか
演奏者のファンなのかは微妙で、私には判別不能です。私は全て知っている曲ばかりなので、
おばさん連中程乗れないとはいえ、十分楽しめました。全体には中期以降の曲が多かったように
思いますが、個人的な好みで言うと、初期の頃の単純なメロディと綺麗なハーモニーの曲を
もっと多くやってくれても良かったかなと思いました。2,3か月に1度の出演のようですが、
また聴きに来てみたいと思います。
by nakayanh | 2010-12-28 22:36 | 音楽
数年前の8/16に京都五山送り火をNHKがTVライブ中継した時、解説をしたのが山折さんで、
その深い精神性に満ちた解説に魅せられ、以来ファンとなり著書を何冊か読みました。
素晴らしい解説をされる筈で、ただの方ではなく宗教学者で京都の国際日本文化研究センター
所長もされた著名な方でした。

この本は親鸞の著した「教行信証」の内容を解説した本で、新書ながら私には非常に難しく
感じられました。それもどおりで山折先生ほどの方が50年も研究して漸く今回纏めることが
出来たそうです。親鸞は有名な「善人なおもて往生をとぐ・・」のいわゆる悪人正機説を
唱えており、念仏さえ唱えれば悪人でも救われる、としています。親鸞はご承知の通り
法然の愛弟子で、法然も念仏を唱えれば浄土へ行ける、と教えている訳ですが、その元となる
教えは「大無量寿経」という経典なのですが、この教えにおいては皆救われるのではなく、
例外があります。即ち、五逆(母殺し、父殺し、etc)と誹謗正法(仏法を誹謗すること)のケース
は救われません。これに関し親鸞が疑問を抱き、そのような五逆、誹謗正法のケースでも
救われる為の条件を他の経典を元に説明し理論づけた、というのが私の理解した限りでの
「教行信証」の主たる内容で、それを山折さんはこの本で縷々説明されている訳です。

親鸞上人は90歳まで生きた方で、緻密というか理屈っぽいというか、自分が納得できるまで
深く考え抜いた方でした。しかしそれは尊敬する師の法然房源空の説に異を唱えることにも
なりかねず、相当思い悩んだそうです。まあ、結論としては悪人でも深く反省し、念仏を
唱えて阿弥陀仏にすがれば救われるそうなので、個人的にはほっと一安心ではあります。
ただ、救われた悪人が行く先は本当の浄土ではなく、仮の浄土ではあるらしいのですが。
浄土にも仮免許がある、ということのようです。
by nakayanh | 2010-12-28 01:33 | 読書
今夜は「坂の上の雲」を夜遅くのBS放送で録画し、「M1グランプリ」を録画、「女子スケート・
フリー」をリアルタイムで見ました。

「女子スケート」は浅田真央がやっと今シーズン初めてまともにジャンプを跳ぶことが出来、
良い演技でしたが、安藤美姫がそれを上回る完璧な演技で逆転しました。浅田はジャンプは
まずまずながら全体にまだ半信半疑のぎこちなさがあり、加えて曲も乙女っぽい優しい曲で、
それはそれで悪くはないのですが、色々な表現をする上でややメリハリに欠け、点数面で
不利だったのではないでしょうか。安藤はジャンプもスピードに乗っていて良かった上、
それ以外の演技も指の先まで細やかで豊かな表現力が素晴らしいと思いました。
姿・スタイルの美しさもこの二人が群を抜いています。

「M1グランプリ」は10回目で最終回ということでしたが、レベルの低い内容で残念でした。
「笑い飯」というのは毎年のことながら何処が面白いのか私には判りません。ここ三年毎年
「ナイツ」が一番面白く、漫才の技術も断然上だと思うのですが、今年は決勝にも残れません
でした。思うにその理由は、一つは審査員にかなり問題がある事で、精々紳助と松本人志位
しか審査員に値しないのではないかと思います。もう一つは最後に「笑い飯」に花を持たせた
ということでしょうか。「ナイツ」は上手過ぎて審査員から妬まれているのか、あるいは何か
別の理由か裏事情があるとしか思えません。漫才の上手さで評価すれば「ダウンタウン」や
嘗ての「紳助竜助」より「ナイツ」の方が遥かに上と思います。難を言えばネタのパターンが
どれも同じで内容だけが入れ替わる方式なので、全く別のパターンも開発していく必要はある
でしょう。自称漫才評論家のなかやんとしては大変残念な最終回でした。
この秋は雑誌の蕎麦特集がなく、蕎麦ブームも一段落かと思いましたが、「danchu1月号」が
「美しき蕎麦」特集だったので買いました。danchuは以前から目次が雑で、掲載店がきちんと
出ていないし、副題が軽薄なことが多くてあまり好きではないのですが、今回は久し振りだし、
41店と情報量も多そうなので買った次第です。新しい店が続々とできているのに吃驚します。
行きたくなる店も幾つかありそうです。私の場合、行きたくなる店は①駅から近い店(駅から
車で10分、20分というようなところは私には無理です。酒を飲むのが目的の一つだし、
タクシー代を払ってまで行く気も起きません)、②値段の絶対額が高過ぎないこと(もり、
せいろは千円まで。蕎麦コース一万円以上は幾ら内容が良くても私の懐具合では無理です。)、
③酒肴の旨そうな店(蕎麦はきっと標準以上でしょうから。)、辺りでしょうか。

「日本の名随筆別巻19蕎麦」作品社刊。金町の図書館で借りてきた本です。1999年11月
第7刷とあります。池波さんを筆頭に中村光夫、戸板康二、開高健、獅子文六、大岡正平、
今東光・・と錚々たる書き手の蕎麦絡みのエッセイが35編です。蕎麦に詳しい人、大して
知らなさそうな人色々で、つまらない文もたまにありますが、全体にはなかなか読み応えが
ありました。昭和の頃の蕎麦屋事情なども参考になります。安藤鶴夫が新派の花柳章太郎の
事を書いていて、花柳はそばやで帰る時、周りの知らない客にまで気を使い、一人ひとりに
「おさきへ」と声を掛けて帰った。誰かが「そんなにしなくても。」と言うと、「そんな
ところで他の客に『花柳は威張っている。』と思われると自分だけではなく、新派全体に傷が
つく。」と言ったそうです。この話など謹慎中の成田屋の若旦那に聞かせたい話です。
沢村貞子の「萬盛庵物語」(山形ではなく浅草にあったお店です)という蕎麦屋のおかみ一代記は
テンポが良くて無駄がなく、作家顔負けの名文でした。
by nakayanh | 2010-12-26 01:35 | 蕎麦
神田まつやで冬至の頃恒例の柚子切り蕎麦を頂いてきました。体調不良となる日の前日です。
既に体調不良になりかけていて間に合わなかったのか、お陰で本格的な風邪には至らず、1日で
治ったということなのでしょうか。

冬至から年末まで、この季節は蕎麦屋の一番忙しい時でしょう。5時半前に着いたのに既に満員で
少し並び、15分位待ちました。見る間に待ち客の列は伸びて行きました。それもその筈、中は
隠居した年寄りが大半でいつだって来られるのでしょう。還暦過ぎの私など十分若手に入ります。
1年の締めくくりにまつやで柚子切りを食べ、帰ってから柚子湯に入れば来年の健康も間違いない
ことでしょう。いや、年配の皆さんは昼に柚子湯に入ってからまつやに来たのかも知れません。

勿論柚子切りの前に蕎麦前です。ビール中、熱燗、焼き鳥、湯葉、うに。奥の打ち場を背にした
隅っこの特等席に陣取り、店内を睥睨しながらの酒は最高の気分です。柚子切りは柚子の香り
高く、鮮やかな黄色で、五感で楽しませてくれます。店内は火事場の様にごった返していますが、
練達の花番さん達が卒なくこなしていきます。この雑沓の中でこそ味わえる心の平穏、静寂が
まつやの醍醐味と言えるでしょう。この日の相席客はいずれも煙草を吸わず快適でした。
by nakayanh | 2010-12-24 23:56 | 蕎麦
一昨日、いつも通り軽い昼食後図書館で読書していた頃からお腹が張り、下痢気味となりました。
その日は火曜の休肝日なので酒なしでスパゲッティ中心の夕食、寒気がするので早めに就寝。

昨日はいつも通り午前中ジムに行きましたが、やや軽めのトレーニングにしておきました。
午後から徐々に熱っぽくなり、図書館で温かくして読書。夕方約束があり飲みに行きましたが、
かなり発熱している感じがあったので早めに帰宅しました。帰って体温計で測ると37℃丁度。
平熱が35度台の私としては結構ある方です。直ぐに就寝。パジャマだけでは心もとないので、
上にトレーナーも着込みました。夜中2,3時間ごとに目覚めましたが、その度に熱は
下がっている感じで、今朝6時半に起床した時は35.7℃とほぼ平熱でした。朝食後の今は
熱は殆ど無さそうですが、少しけだるい感じです。

風邪にしては咳も出ないし、喉の痛みや鼻水もなく不思議なことです。特に思い当ることも
ないのですが、強いて言えば、退職後の10月以降月~土を原則ジム+図書館とし、日曜だけ
休息日としていたことで、少し疲れが溜まっていたのかも知れません。第二の人生を充実
させたい一心で張り切り過ぎて、やや無理があったのでしょうか。

という訳で、今日は安息日とし、これからも日曜に加え木曜も安息日としようかなと
考えています。差し当たり今日は家で音楽を聴いたり読書をしたりで、午後は正月用の
酒を買い出しに行くことにします。
今月発売の文芸春秋で「弔辞」の特集があり、比較的最近亡くなった方(といっても2,30年前
の方もいます)45人の弔辞を載せていて、失礼な言い方ですがとても面白く楽しめます。
2008年に亡くなった赤塚不二夫の弔辞をタモリが原稿なしで読み、その素晴らしい内容が
話題になりましたが、全文を読む(あるいは聴く)ことが出来ませんでした。それも勿論
出ています。とても良い企画だと思いました。

考えてみれば弔辞と言うのは、亡くなった方と一番親しく、よく知っている人が、遺族や
多くの弔問客の前で読む訳ですから、当然かなり力を入れて考え、故人の取って置きの
エピソードなども織り込んでよく練られた一世一代の文章が披露されますので、心の籠った
良い文章になる可能性が非常に高いのだろうと思います。とは言っても「私の履歴書」と同様
政治家や経済人の弔辞はやはりあまり面白くありません。故人に一番近く心情を理解している
人が選ばれるのではなく、立場上弔辞を読まされることになるからだと思います。功績を
羅列して称える事に終始し、故人の本心に迫る部分が少ないからでしょう。それでも村山
富市さんが故小渕首相に宛てた弔辞は、故人の温かいエピソードが多く良い弔辞でした。

芸能人や芸術家の弔辞はその点、型破りな中にも心情がこもっている弔辞が多く、胸が熱く
なるものも多くあります。タモリのもそうですが、司馬遼太郎(故人は近藤紘一)、上岡龍太郎
(横山ノック)、千葉馨(黛敏郎)、南伸坊(渡辺和博)、小松政夫(植木等)、原辰徳(木村拓也)、
岸恵子(市川崑)、等々です。

私も二度弔辞を読んだことがあります。どちらも会社関係でたまたま故人の上司だった為、
お鉢が回ってきたものです。上司と言っても私が着任した時はすでに長期欠勤中であったり
して、自分自身適任ではないなとは思いましたが、だからと言って遺族の方から頼まれれば
断る訳にはいきませんので、僅かな仕事での関わりを思い出しながら、それでも心を籠めて
練り上げました。まあ内容的には面白くなかったでしょう。友人が故人なら良い弔辞が
書けそうな対象は何人かいますが、いずれもしぶとそうで多分私が一番早く死ぬでしょう
から、良い弔辞を活かせる機会はなさそうです。
by nakayanh | 2010-12-21 20:35 | 読書
10月初めから国立新美術館でやっていた没後120年ゴッホ展にようやく行けました。
12月上旬まで京都検定の受験生だったため行けなかったものです。最終12月20日の二日前、
最後の土日とあって大混雑を心配しましたが、12時過ぎに着き意外にすんなり入れました。
とは言っても勿論中は結構な人出、特に入口付近のゴッホの絵は黒山の人だかりでしたが、
進むに連れてまあそこそこ見ることが出来ました。

ゴッホの作品は油彩は勿論、リトグラフや水彩、チョークやインク絵等、ファン・ゴッホ
美術館とクレナー・ミュラー美術館所蔵の68点も展示されていて堪能しました。ゴーギャンや
モネ、シスレー、ピサロ等同時代の画家の絵も結構ありましたが、やはり私にはゴッホが
圧倒的に素晴らしく見えました。何というか命がけで描いているゴッホの絵の迫力の前には
他の画家の絵が霞んでしまうのです。

でも、ゴッホも1890年7月に37歳で亡くなる3年前の夏までは、結構普通の絵を描いて
いるんですね。普通の、とは写実的だったり、モネかと思うような印象派風だったり、
という意味です。87年6,7月の「ヒバリ飛び立つ麦畑」や9,10月の「マルメロ・レモン、
梨、葡萄」、有名な「灰色のフェルト帽の自画像」辺りからあの観る人の魂を揺さぶる
ゴッホのタッチになってきます。面白いのは、鉛筆やペンで描いた素描もちゃんとゴッホの
厚い絵の具を彷彿とさせるタッチになっていることです。自殺する直前の作「曇り空の下の
積み藁」の不吉な美しさ、その3か月前の「草むらの中の幹」の煌めく美しさ、天才としか
言いようがありません。

嬉しかったのは大好きなギュスターヴ・カイユボットの作品が一つ展示してあったことです。
ファン・ゴッホ美術館蔵の「バルコニー越しの眺め」ですが、正直なところ彼の絵としては
失敗作でした。

観客が少なそうな最終日20日に今一度観に行きたい誘惑にかられる素晴らしい展覧会でした。
by nakayanh | 2010-12-18 17:32 | 美術