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先日「談志」の本について書いた時に少し触れたのと、さいとうさんが書き込んでくださったのに触発され、「笑点」について少し書いてみます。

今日の笑点は、司会の歌丸が暫く病欠のため司会を交代でやるという趣向のようで、たい平が司会をしました。先輩達に遠慮しながら座布団を配る、というので面白い面はあったのですが、目先が変わっていただけで長続きはしないと思われます。司会は瞬間的に解答の良し悪しを判断出来る批評家でもありますから、笑いに対する余程しっかりした考えというか信念を持っていないと続かないのではないでしょうか。後半はたい平の奥さんネタに終始していて、これもパターン化することによる面白さは多少ありましたが、安直な仲間内の楽屋ネタでもあり、談志が司会ならありえなかったでしょう。出演者全員が笑いとか視聴者ををなめている、といったら言い過ぎでしょうか。

どうも今の笑点の出演者達は笑いに対する志が低く、往年の”笑いの最先端を行く気概”がなくなってしまったような気がします。「渡鬼」同様番組の使命を終えたのかなと思います。最近のテレビのお笑いのレベルの低さに常々憤りを感じているため、辛らつな意見で申し訳ありません。 

今朝の「所さんの目がテン」は「落語を科学する」というテーマで、「肴を三枚におろす」という面白くも何ともない文章を落語家が読むと面白く、それは何故か解き明かしていて面白かったです。聴いている人の脈拍数よりゆっくり話すことや、緊張と緩和(これは以前桂志雀が唱えていたことです)、仕草などが大事なのだそうです。「目がテン」は所さんの矢野左衛門いじめ乃至軽視が少し気になりますが、内容的には良く考えられていて毎週面白いです。
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by nakayanh | 2008-06-29 23:32 | 落語
金曜夜に行ってきました。4回目かな。

6:20入店。先客はおじさん一人。でも私の後は女性6人組や女性一人客、訳有りげカップル等続々。女子率が高く良い?お店です。コストパフォーマンスが良いということなのでしょう。

ビール中、一之蔵、蕎麦屋のサラダ、卵焼き、天麩羅盛合わせ小、せいろ。蕎麦屋のサラダは
大根の千切りや貝割れに揚げ蕎麦を散らし、ポン酢を掛けたもので、僅か420円で凄い量です。一人のときはお奨めしません。卵焼きはふんわりの焼き加減と柔らかな味で美味。天麩羅は海老の頭も鬼殻焼きにしてくれていて嬉しいです。蕎麦は繊細な細切りで旨い。値段もリーズナブルで大満足でした。

前にも書きましたが、ここの欠点は唯一花番さんが女将さん一人で忙しく、注文の品を運ぶ時以外は厨房に入りっきりで、注文しづらい点にあります。客の入りが多いので、お運びのためしょっちゅう出てくるから、注文も出来るのですが、作業中に声を掛けざるを得ず、その点気の毒で逡巡してしまいます。湯津上屋やよし房も女将さん一人だけど、しっかり目配りが出来ている。この余裕の差だけですね。勿論重吉の女将さんも一生懸命だし、受け答えの印象も悪くないのですが・・・。思うに、馴染み客との無駄話?がやや多めなのと、注文を受ける姿勢が受身の故なのかなあ。注文は当然受身ではあるのですが、余裕のある時の標準の立ち位置の問題でしょうか。多分それが厨房内という感じなのです。
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by nakayanh | 2008-06-28 01:08 | 蕎麦
カテゴリーは「落語」にすべきか「読書」か迷うところです。作家だか演芸評論家だかの吉川潮が聞き手で、談志へのインタビューによる一代記です。

芸とか芸術は突き詰めると人間の生き方そのもので、それに共鳴できるかどうかでその人の芸や芸術が好きか嫌いか分かれることが多いように思います。談志は志ん朝亡き後、当代最高の落語家との評判は高いですが、その意味で私自身は余り彼の落語を好きではありません。もっともここ10年はまともに彼の落語を聴いたことも無いのですが。多分あの生意気さ、自己中心的な考え方、自分で上手いと思っている高慢さが、頭の明晰さやシャイなところからきているのは判るのですが、彼の落語の魅力を大きく損なっているように思います。

でも談志の、落語はもとより芸能全般に関する評論・批評は超一流で、大昔の名著「現代落語論」以来ファンではあるのですが、その点博覧強記の彼によるいろんな芸の話、芸人の話が満載のこの本は面白く充実しています。テレビの長寿番組の「笑点」は、談志、前田武彦、三波伸介、円楽、歌丸等、何人も司会者が代わりましたが、圧倒的に談志が司会の頃が面白かったと言えます。つまらない駄洒落やゴマスリや楽屋落ちでは絶対に座布団を貰えませんでしたが、今はそればっかりです。出演者も落ちているし(特にたい平、好楽がお粗末、楽太郎も中途半端)、聴き手の質も落ちているから仕方ないのですが。(ところで、この本の中で「で笑」点の初代司会者は円楽だったと談志自身が語っています。)

この本ではないですが、以前読んだものの中で談志が漫才師を批評していたのですが、「中田ダイマルラケット」と「いとしこいし」を比較して、『狂気がある分「ダイラケ」の方が面白い、』と評し、私は感心したことがあります。私自身「ダイラケ」の方が「いとこい」より面白く、でもその差は何だろうと疑問だったのですが、談志が見事に解き明かしてくれました。「いとこい」の方が常識的で破目を外さず、スマートでお行儀が良いのですが、それを一言「ダイラケの狂気」の面白さ、と言い切ったのには感心させられました。この本はその彼の鋭い視点による芸談、芸人談が満載です。

関係ないですが、昨夜(6/26)8時過ぎに帰宅し、女房や娘が見ていたお笑い番組のコントを少し見ましたが、とてもお笑いとは言えないレベルの低い素人芸でした。それを何人かのタレントがゲラゲラ笑っているのですが、伊東四朗までその中におり、司会は堺正章。何とも情けないことです。「こんなのは面白くないし、芸でもない」と二人とも思っているに違いありません。こんな安直でお粗末な番組に出ること自体、彼らにとって不名誉なことで、残念でなりません。
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by nakayanh | 2008-06-27 02:01 | 読書
17世紀のオランダの画家ヨハネス・フェルメールの絵を好きになったのは2,30年前でしょうか。多分日経の日曜版に出ていた「窓辺で水差しを持つ女」を見てからだったと思います。彼の絵の典型的な構図である左に窓があって、そこから差し込む柔らかな光の中の室内の光景、水差しと盥の金属的な輝きと、女性の白い頭巾の木綿の質感の見事さに魅了されて以来です。それから、彼の絵の出ている展覧会に行ったり、海外等で、全部で10点位は現物を見ていると思います。

現存する彼の絵は、真贋疑わしいのも含めて僅か37点だそうです。42年と言う短めの生涯を考えても、37点は少ないと言えましょう。表記の本はICU,コロンビア大博士課程出身のジャーナリストである著者がその全作品を見る旅に出た紀行文でもあり、美術評論でもあります。集英社新書ヴィジュアル版の一冊です。著者はフェルメールには詳しいけれど美術の専門家、学者ではないようで、解説にそれ程深い洞察は感じません、それでも全作品がカラーで紹介されているのは魅力で、勿論幾つかの示唆については考えさせられ、勉強になりました。

たとえば何故彼の絵は日本でこんなに人気が有るのかという理由の一つに、日本人には難解なキリスト教に関わる寓意が含まれた宗教画ではない点を挙げています。これは確かにその通りだろうと思います。私が西洋の絵では印象派位しか理解できないのも、それが理由です。

でもそれだけではなく、著者も同じようなことを言っていますが、彼の絵が醸し出す静謐な雰囲気には、何か心を鎮めてくれる精神性が有るような気がします。写実性も魅力の一つで、布や金属や木や大理石などそれぞれの物質の質感を、見事に表現していると思います。

37点を見ると、彼の絵は意外にも必ずしも左に窓がある室内風景だけではなく、風景画や宗教画もあります。その中で「デルフト眺望」という傑作は流石に素晴らしく、一度実物を見てみたいものです。オランダのハーグまで行かなければなりませんが。

ところで、フェルメールは材料の質感を表すのが見事と書きましたが、その点でいえば更に見事で好きな画家がいます。印象派の頃の人でカイユボットという人です。フェルメールのような精神性は感じませんが、写実感だけで言えばこの人の方が優れていると思います。写実を求めるなら写真の方が優れているかというと、勿論そうではありません。写真の平板さではとてもそれぞれの素材の質感や温度や手触りが伝わってきません。その点ではハイビジョンのくっきりした画面でも及ばないように思います。デジタル録音の音楽より、真空管のステレオで聴く古い録音の音楽の方が、臨場感や温かみが伝わるのと似ているかも知れません。
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by nakayanh | 2008-06-23 00:31 | 読書
土曜の午後、久々に訪れました。3週間振り位でしょうか。

1時頃入店、ほぼ満席でした。テーブルにはお昼のメニューしか置いてませんでしたが、女将が直ぐに夜のメニュー(つまり酒肴が出ているメニューです)を手渡してくれました。ビール中、一之蔵、がんも、きざみ蕎麦。流石に昼間なので殆どの客は蕎麦だけです。多くのお客がかき揚げせいろを頼んでいました。お通しに出してくれた蕎麦味噌はじゃこ入りでなかなか美味です。蕎麦の実たっぷりのあんかけがんもが又最高に旨い。土曜の昼下がり、日経を読みながら蕎麦屋で一杯、至福のひと時です。相席のカップルの男が喋りすぎで少し煩かったですが。締めのきざみ蕎麦が相変わらず最高の旨さです。油揚げ、めかぶ、海苔、葱、鰹節と蕎麦の絶妙のバランス感、最後のとろりとした蕎麦湯でお汁まで一滴残らず頂きました。ごちそうさま。店を出た2時近くでも未だ待ち客がいました。
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by nakayanh | 2008-06-21 23:03 | 蕎麦
2ヶ月振り位でしょうか、木曜夜久々に伺いました。意外に空いていて半分の入り。庭に面した特等席に座れました。

ビール中、冷酒菊正樽酒、あさり、焼き鳥、花巻蕎麦。ここのあさり煮は甘過ぎず辛過ぎず、文字通りあっさりしていて天下一品だと思います。焼き鳥はメニューにタレと塩が書いてあり、塩が50円高いです。前は塩なんて無かったと思います。勿論タレで頂きました。もう一つの発見は、鳥わさがメニューからなくなったことです。ここの鳥わさも絶品の旨さだっただけに、なくなったのは実に残念なことです。花巻は良いですねえ。蓋を開けると匂い立つ海苔の香り。
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by nakayanh | 2008-06-21 01:33 | 蕎麦
先週日曜日、練馬の蕎麦屋「176」のあと、練馬文化センター大ホールの「グリーンコンサート」に行ってきました。

これは「みどり会」なる企業グループ163社主催の、グループCSR活動の一環である芸術文化支援活動の一つで、要はグループ企業の音楽好きの人が出演するコンサートです。一部がコーラス、二部が吹奏楽、三部がオーケストラの三部構成。吹奏楽の演奏に私の勤め先の企業のブラバン仲間が何人か出るので、チケットを貰い応援に行ったという経緯です。

2時開場ですが、1:30過ぎには入り口に人が並び始め、どんどん列が膨らんでいくので、1:45頃には女房と私も並びました。2時開場と同時に1500近い会場がどんどん埋まっていきます。入場料無料とは言え、企業グループの動員力はたいしたものです。

一部は大手ゼネコンのコーラス部によるコーラス。童謡中心に6曲。10人ばかりでややソプラノが苦しそうでしたが、全員暗譜で合唱したのは立派でした。一部と二部の間にはロビーで弦楽アンサンブル。弦は難しいからか、やや素人感を感じました。

二部は若い友人達の出る吹奏楽演奏です。演奏主体はみどり会グループのメガバンクの企業バンドです。友人達はエキストラかと思っていたら、れっきとした団員でした。なかなか懐の深い大らかな企業風土のようです。演奏は素人集団とは思えない見事な演奏でした。ちょっと上手過ぎて可愛げがないとも言えそうです。コンマスのクラリネット奏者が一人だけ赤シャツで目立ち過ぎるのも素人楽団らしくありませんでした。曲目は余り知らない曲が多く、余り聴き手本位ではありませんでした。

二部と三部の合間にはやはりロビーでクラリネットアンサンブル。スーパーマリオの音楽など、これも上手なこと。このバンドではとても私など出してもらえないでしょう。

三部はみどり会グループ企業の従業員から成るオーケストラの演奏。白鳥の湖抜粋とベートーベンの「運命」。これも素人オケとは思えない上手い演奏でした。運命のテンポがやや鈍くてかったるかったですが、ホルン、オーボエ、クラ、フルートなどの管楽器はプロ並みの上手さでした。

2時半から5時半までたっぷり三時間、ただでじっくり愉しませていただきました。
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by nakayanh | 2008-06-18 00:09 | 音楽
土曜午後、会社の友人が出演するコンサートが練馬であったので、その前に初めて伺いました。練馬駅西口を出て高架沿いに5分ほど、ガード下ではなくその手前にお店はありました。「176」のお店のロゴが読みづらくちょっと入り口が判りにくいです。お店の場所の郵便番号と地番が共に176だからこの名前だそうですが、私の感覚ではあまり粋とは思えません。でも店内は暗めで風情のある純和風。客の入りも上々です。

少し待ってテーブル席に通されました。ヱビス中、立山、鴨つくね、烏賊の沖漬け、季節の天せいろ。花番の年配のおばちゃん(女将かな)ややずっこけますが、オーダーなど早く来るし的確です。烏賊の沖漬けは少し凍らせたシャーベット状のもので、実に酒に合います。鴨つくねも野菜が付け合せてあってなかなかの逸品。酒肴が充実していて嬉しいです。ランチサービスの季節の天せいろはキスの天麩羅2匹としし唐が付いてお値打ちです。蕎麦も旨い。店内は掘り炬燵の座敷やカウンター席もあり結構広いですが、いつも略満員状態。若い花番のお姉ちゃんが頑張っていました。練馬まで来ることはめったにありませんが、西武池袋線沿線の人には貴重なお店だと思います。
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by nakayanh | 2008-06-15 00:07 | 蕎麦
日本水泳陣の北京オリンピックでの水着問題がようやく決着しました。自由に選べるとのことで、当然の結論であり、遅過ぎるようにも思いますが、まあ落ち着くところに落ち着いた感があります。これだけ結果に歴然とした差が有るのだから、日本のメーカーも文句は言えないでしょう。これで専属選手から違約金を取ったら、大きなイメージダウンになることは間違いなく、総合的に判断して寛大なところを見せたということではないかと思います。

気になるのは、これだけ結果の違う水着の開発で日本が遅れを取ったということで、日本の技術力の衰えを実感させる象徴的な出来事かも知れません。金融を初め、政治、行政、教育等々あらゆる分野で戦後の体勢に綻びが生じ、構造改革が必要となりましたが、生産・技術の面でも同じことが起こっているということでしょう。スピード社の水着の生地は日本のメーカー製だそうなのに、スポーツ用品メーカーがそれを生かせなかった、というか無視したというのも情けないことです。大手メーカーに驕りが有ったと言わざるを得ません。開発担当者が責任を問われても仕方ないところでしょう。元々日本は加工技術立国で、一番得意とするところであった筈なのに。日本の国力、技術力低下の背景に労働・雇用の流動化も関係がありそうで、そうだとすれば、今回の秋葉原の事件も根底で何か繋がりがあるようにも思えます。
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TVドラマは殆ど見ないので、何も語る資格はありませんが、「渡鬼」だけは別です。かれこれ20年近くになるのでしょうか、初回から見ていますから、何かと思い入れは深いです。えなり君は赤ちゃんの頃から知っているから、とても他人とは思えません。

最近の「渡鬼」が面白いかと言うと、それ程でもなく、何と言うか、続けるために無理やり事件を起こしているという印象が強く、あざとさも感じますが、それでも大体見ているのはまあ惰性ですね。面白かったのは岡倉の女将さん山岡久乃が生きていた頃まででしょう。勿論宇津井健さんや野村芳子さんも頑張っているのは承知していますが。いろんな経験を積んでも一向に賢くならない5人姉妹で、色々問題が多すぎます。どう見ても世間ではなく、家族の中に鬼が神出鬼没で現れるのが、このドラマのミソです。最近に始まったことではありませんが、特に浮気な葉子と身勝手な長子は酷い。テレビに向って文句を言い、ツッコミながら見るのがこのドラマの一番の愉しみ方かも知れません。
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