サッカーよりは野球やラグビーの方が見ていて面白く感じる世代です。だからサッカーについて語るほど詳しくないのですが、それでも日本代表が出る時は見るようにしています。そして常々思うのですが、日本のサッカーは面白くない。攻めようとしないからです。
日本の試合を見ていると、どちらに攻めているのか判らないことがよくあります。どうも速攻で攻め上がるよりパスで回してボールをキープするほうが好きらしく、延々とバックパスをやっています。アジアカップ準決勝サウジ戦もそうでした。前半20分位から見始めましたが、全く攻めないでパスしている内にボールを取られてワンチャンスで点を取られる。リードされると必死になって何とか同点にするのですが、同点になると又安心してバックパスで時間を潰す。この繰り返しのような印象でした。3:2で善戦、あるいは惜敗のようですが、実態は後手後手で勝ち目の無いというか、勝とうという意思が感じられない惨敗でした。
点を取る、シュートすると言う行為は狩りで獲物を取る様な物ですから、農耕民族の日本人は多分もともと得意ではないのでしょう。だから格好なんか気にせず、遮二無二点を取るというのが出来ないようです。前のワールドカップでは、絶好のフリーのシュートチャンスでエースストライカー柳澤が空振りしました。彼は「だって急にボールがくるんだもの」と言ったとか。
日本は元々攻撃が苦手で、組織立ったパス回しが好きなようですが、これは蹴鞠以来の伝統かもしれません。オシム監督になって変わるかと思いましたが、本質的に変わっていない。それどころか、彼は「日本のサッカーを(国際化ではなく)日本化する」と言っていますから、益々その傾向が強くなる虞があります。日本が前半なかなか攻めないのは、一つには監督のせいのような気がします。彼は「90分走れない選手は使わない」と言っていますから、選手は後半ばてて走れなくなるのを恐れて、前半ちんたらと時間を潰し、スタミナをセーブしているように思えます。彼は又ワンタッチパスの重要性を説いていますが、ワンタッチを意識するあまり、タッチするタイミングが遅れがちになるような印象もあります。組織立って全員で早く攻めるのが監督の理想なのかなと思うのですが、組織立つところまでしか出来ていない。日本化では多分その先は無理ではないでしょうか。小野のような一人で4,5人抜いていく天才ドリブラーを使わないのも勿体ない。組織的ではないし、ずっと走らないからなのでしょう。
どうも日本のサッカーの負け方はすっきりしません。フォワードは攻めないし、バックスはバックパスで回して時間を潰すだけで、ボールを取られるとしっかり守れない。反撃で自ら同点にして仏頂面でいるより、ボールを早く前に渡して、後はしっかり守るのがバックスの役目ではないのでしょうか。要するに選手それぞれが本来の役割を果たさず、互いに他の選手が悪いと思っている。組織立っている様で、実は組織もばらばらで信頼感が無いのかもしれません。
私が監督なら二つ条件を出します。最初から全力で走らない選手は使わない。バテればそこで換えます。それと3点リードするまでバックパスは原則禁止です。それで点を取られても構わない。バックパスは攻撃の為の態勢を整えているようで、実は相手が守備態勢を整える時間を与えているだけに過ぎません。