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小泉吉宏「大掴源氏物語」

今年は源氏物語千年紀とのことで、源氏物語についてのイベントがあちこちで開かれています。私は寂聴さんのダイジェスト版で読み、あまりの面白さに、次は「京言葉による源氏物語」にトライして、途中挫折した程度で偉そうなことは言えないのですが、この「大掴源氏物語」は楽しくてお奨めできます。漫画で1帖を見開き8コマで纏めるという暴挙ですが、実に可愛くて楽しく、現在家族の間で引っ張りだこです。本の帯のキャッチコピーは『抱腹絶倒の「源氏」全54帖、これ一冊で「源氏」全部を読んだ気になれる!かんたん!かわいい!おもしろい!』です。源氏はマロと称し、顔が栗で可愛いのです。僅か1300円でオールカラー、カバー裏に各帖と源氏の年齢が対比してあったり、ところどころに系図で関係者を示してあったり、実に親切で気配りの効いた作りです。

これまでマンガ本の最高傑作はいしいひさいちの「B型平治捕物帖」だと思っていましたが、「大掴源氏」はそれを凌ぐかもしれません。「大掴み」という名前が人を食っていて良いと思います。

それにしても源氏物語は要するに浮気っぽい男の女性遍歴に過ぎず、実に不道徳な内容で、何故特に女性に人気があるのか、未だに判らないのですが、女房に聞くと「そりゃあ光の君が良い男だからよ。」とのことです。セクハラは被害を受けた女性がどう思うかでセクハラかどうか決まるようで、言い換えれば良い男にされれば平気なことを、嫌いな男がすればセクハラになる訳で、実にいい加減で理不尽なことと常々思います。やはり男も顔なんだ、という現実。私など生きる希望を失うほどです。源氏は何をやってもセクハラにならない男の物語で、私にとって本音は面白くなく、あほらしいのですが、京都の雅を知る上では欠かせない本で、已む無く付き合っている次第です。段々話が逸れてしまいました。
by nakayanh | 2008-05-24 00:29 | 読書