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北白川「藤芳」

土曜日、京都駅でひと悶着(宜しければ前項をご覧下さい)の後、大雪の中、北白川の詩仙堂に行きました。どの季節に行っても何かしら庭に彩りがあって美しく、京都の大好きなの場所の一つです。しかしこの日は一面の銀世界、これが又息を呑むほど美しく素晴らしいものでした。

日頃は躑躅の丸い植え込みが印象的な庭一面真っ白な中に深々と降るぼたん雪。背景の楓の梢もうっすらと雪を被り、時折聞こえる鹿威しの音。文才が無く、在り来たりの表現しか出来ないのが悔しいです。観光客は少なく、座敷の奥から部屋越しに人を入れることなく庭の写真が撮れる程でした。いつもはスリッパで庭を散策できるのですが、この日はスリッパが無く、どうしたことかと思ったら、室内拝観後に一旦外へ出て石垣沿いに庭へ回れ、とのことでした。渋い造りの路地を抜けるといつもの庭です。永らく京都へ通い詰めていますが、これほど素敵な雪の庭に出会えたのは初めてでした。

詩仙堂の後近くの金福寺を見てから、北白川の「藤芳」へ。二度目です。店の前の疎水の雪景色も又風情があります。桜の頃は更に美しそうです。12時半頃入店。先客は四組、皆小上がりでは無くテーブル席で、一つだけ空いていたテーブルに腰掛けました。ビール中、燗酒、昆布と干し蝦の山椒煮(これが旨くて酒との相性抜群です)、鴨焼き、海老天。愛想良く話し好きの大女将(というより気さくなおばあちゃんです)が時折和ませてくれます。和紙で出来た洒落た日除けの合間から降る雪を見ながら、思わずお酒お代わり。蕎麦は毎月の変わり蕎麦、今月は山椒切りを頂きました。山椒の香りが高く味わい深い蕎麦です。

前回訪問時に流れていたラジオ放送はこの日は掛かっていませんでした。あの時より人の入りが多く、忙しかったからでしょうか。こういう雪の日に客が多いということは、地元の人に愛されているということなのでしょう。おばあちゃんの人柄そのままに庶民的でほっこり出来る良いお店です。小柄な女将さんも愛想良く一生懸命の働き振りが好感を持てます。

3月中旬までにスタンプを三つもらうと蕎麦味噌が頂けるので、これで後一つ、来月までに何としてでももう一度行かなくては、と思っています。
by nakayanh | 2008-02-12 00:02 | 蕎麦