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無計画停電に思う

昨日始まった東電の計画停電について、今朝の産経新聞の一面見出しは「無計画停電」とあり、
正に的を射た表現だと思いました。

我が家は千葉県の松戸市に在りⅠグループとⅤグループに分かれる内、栄誉ある?Ⅰグループに
含まれていました。(これが明確になったのは14日即ち実施当日の未明でした。前夜から調べ
始めましたが市のHPが開かず、照会窓口の電話も通じずで、結局やっとPCで市の情報が
得られたのは未明で、しかもⅠグループは朝6:20からとのこと、もう直ぐです。しかし朝に
なっても停電にはならず、結局昨日14日にはⅠグループは実施されず、Ⅴグループの一部が
実施されただけでした。そのⅤグループに千葉で一番被害の多かった旭地区の避難所が含まれて
いたのですから、旭地区の方は踏んだり蹴ったり、人道上の問題とも言えます。

今日は、Ⅰ地区は午後3:20から実施の予定でしたが、結局我が家の地域は実施区域に入らなかった
ようです。被災者の方のことを想えば多少の不便は仕方なく、覚悟は決めているにも拘らず、
やるやると言いつつ東電はその通り実施しない。多分影響を最小限にしようと気遣っている
とか、鉄道や産業への影響が余り出ない地域を選んでいるとかでしょうが、余計なお世話と
思えます。やると決めたら予定通り開始して、十分な電力が確保されたら予定時刻より早めに
終わってくれる方が余程こちらも動き易い。折角停電の準備をしていてもはぐらかされる
ばかりなので,その内準備がおろそかになる、狼少年の寓話通りの筋書きです。

計画停電の思い切りの悪さは、原発への対応とも共通しているのではないかと懸念します。
最初からコンサバティブに対応しておけば良いのに、対応を小出しにした結果4つの原発全部が
爆発、日本全体が危機に晒されています。戦力の逐次投入は日本の第二次大戦に於る失敗要因の
最たるもので、同じことが今回の東電の対応に現れている様な気がします。これは放射能漏れ
という物理的な危機に留まらず、世界の日本に対する信頼の危機でもあります。原発はやはり
安全ではなかったと思わざるを得ません。原発事故が被災者への対応を遅らせ、集中を欠き、
新たな被災を生んでいることはまことに悲しく、悔やんでも悔やみきれません。

今回の天災とそれに付随した人災が、政治・経済・教育から相撲やお笑いに至るまで全ての
分野で閉塞していた日本を根本から見直し、便利さや快適さだけを野放図に求めるのではなく、
謙虚さや責任感・公徳心を伴った新しい秩序ある日本に再生するためのきっかけになることを
祈るばかりです。
by nakayanh | 2011-03-16 00:02 | ニュース