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益川敏英「私の履歴書」

今月の日経文化欄私の履歴書はまだ始まったばかりですが、おもしろいです。
先月まで2カ月連続でサラリーマンだったためか、実につまらなかったです。
益川さんはご存じの通り昨年ノーベル物理学賞を獲った学者ですが、サラリーマンや
役人、政治家の人生と比べて遥かに面白いんですね。何故なんでしょう。
サラリーマンはどんなに偉くなった人でも、組織の中で多少やんちゃにやっていた程度で
高が知れています。その点、学者、更にその上の芸術家は断然面白い。全く常識外れの
発想で人生を切り開いているからだと思います。

今日の日経では益川さんが中学・高校の頃、数学が好きになり、小遣いを貯めては
古本屋へ数学全集を買いに行く話です。云わく「高校生くらいの知識ですらすらと読める
水準の本ではない。でも本というのは面白いもので、時間を置いて少しずつ目を
通すと、以前は分からなかったところが、突然理解出来たりする。それは自分も
気づかないうちに、知識が蓄積されるためだ。・・・」数学全集を目を輝かせて
読み耽っている益川少年が目に浮かぶようではありませんか。

比べるのもおこがましいですが、私も判らない音楽や美術を聴いたり見たり
し続けている内に突然判る、という経験を何度もしたのですが、続けている合間に
色んな知識を吸収して、自分が成長した結果、突然判るのかも知れません。
芸術の場合は蓄積と関係なく突如判る場合があるようにも思いますが。
by nakayanh | 2009-11-06 23:21 | 読書