人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ナガオカレコード針

レコード針と言えばナガオカが、今朝の日経文化欄にその盛衰記をナガオカ三代目社長が
書いていて感動しました。

ピーク時月産100万本を誇ったレコード針が、1989年には僅か数千本、父親の
二代目社長が弱気になるのを励まし、会社を縮小して生産を続けました。
三代目は97年に入社、社長になると事業の多角化を試み、「硬くて小さいものを加工する」
というナガオカの原点に立ち帰って多角化に成功、今ではレコード針の売り上げは
総売り上げの10%にしか過ぎません。しかもそのレコード針はこの10年月産4,5万本で
安定して推移しています。そして人々は未だにナガオカと言えば「レコード針の・・・」と
言い、それを誇りにしているそうです。「この先デジタルオーディオが技術革新を続けても、
ナガオカはレコード針を作り続ける、半世紀にわたってレコード文化を守った責任があると
思うから。」と結んでいます。

良い話だと思いました。企業の原点に立ち帰って大本の技術力を
生かして多角化し、企業の社気的責任を守りつつ過去のヒット商品に頼らない、
なかなか出来ないことです。

我が家にも何百枚かレコードはあり、いずれ時間が出来たら聴き直したいと思っています。
新しいレコードに針を落とす、あの時の感動は確かにCDの比ではありません。大きな
レコードジャケットの表紙を楽しみ、ライナーノーツを読みながらレコードを聴き、
20分経ったら裏返す、あの楽しさはCDでは殆ど味わえないものです。
ナガオカがある限りその楽しさは残されています。そういえばカートリッジ式のレコード針で
一世を風靡したオーディオテクニカという会社は今はどうなっているのでしょうか。
by nakayanh | 2009-10-28 00:44 | 音楽