良寛、子規、八一

5/11の日経朝刊文化欄に新潟大名誉教授の冨沢信明という方の
エッセイが出ています。元々計数工学専門の数学者である筆者が
退官後好きで研究をしておられる良寛のことを書いた一文です。

良寛の著作等全く読んだことがないのですが、その良寛の
歌論が、古今和歌集の技巧・形式を嫌い、万葉集の素朴さ、写実性を
評価した子規のそれに酷似しているというのです。

その子規に良寛を教えたのが會津八一というのが通説だそうです。
実際にはそれより前に子規は良寛の歌集を読んでいたのだそうですが。

子規の俳句や著作が好きで、一方會津八一の書も和歌も大好きでしたが、
その二人が交流があったとは迂闊にも知りませんでした。そもそも
同じ時代の人だったとは。八一はもう少し後代の方かと思っていました。

調べてみると會津八一は明治14年生まれで、子規に「僧良寛歌集」を
贈ったのが明治33年だそうですから、僅か19歳の学生の時という事になります。
何という早熟、昔の人は若くしてよく物事が判っていたものだと感心させられます。

私にとって「會津八一」との出会いは全くの偶然でした。10年位前の秋、
新潟マラソンを走りに行って、前日の夕方新潟市内をジョギングしていたところ、
海岸近くで偶然「會津八一記念館」というのを見つけ、何の予備知識もなく
ふらっと入館し、その書と歌に圧倒されたという次第です。何という
美しくて判りやすい主にひらがなの書による和歌の数々。その多くが
大好きな古都奈良を詠んでいます。私にとって會津八一という芸術の
「発見」でした。

好きな子規と八一、その二人が推奨する良寛ですから、これも今後読まなければ
なりません。こうして知識や芸術、美が自分の中で拡がっていく喜びは
なかなか嬉しいものです。
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by nakayanh | 2009-05-13 11:34 | 読書