森光子放浪記2千回に思う

41歳から48年掛けて前人未到の2千回公演達成、凄いことです。
あのお歳であれだけの演技が出来るのは驚くべきことで、素晴らしいのですが、
うーん、正直に言いますとちょっと複雑な気分です。こんなこと書いたら
気分を害される方もいらっしゃるでしょうが、私的なブログなのでご容赦下さい。

土曜日午前中ジムでエアロバイクを漕ぎながら、NHKアーカイブズで
放浪記の特集を観ました。その日の午後の公演が2千回目、その夜の
森光子さん生出演の番組も先程録画で観ました。

私は1600回を超えた2005年頃一度だけ大阪の梅田コマで拝見しました。
正直に言ってそれ程の舞台とは思えなかったのです。歌舞伎は兎も角、
現代劇は殆ど行ったことがなく、偉そうな批評はとても出来ませんが、
近年観た中ではピーターの「越路吹雪物語」や都はるみが母親を演じる
「都はるみ物語」の方がずっと面白かったです。有名な「でんぐり返し」も
だからどうなんだ、という印象で、唯一面白かったのは小鹿敦が演じる
菊田一夫が良く似ていること位でした。

プロ野球でよく連続出場が話題になります。かつては広島の衣笠幸雄、
今は阪神の金本選手です。金本アニキは今も十分な働きをしていますので
何も申し上げることはありませんが、鉄人衣笠の最後の方は、連続して
出ることが目的になっている印象が強く、本人の記録には良くても、
チームの勝利という目的のためには本当に良いのか、という印象でした。
ヤンキーズの松井も一時そんな雰囲気でしたが、怪我で出場が止まり、
却って良かったと思います。

一人でも見たい人がいる限りボロボロになってもやるというのもプロだし、
一定レベルを維持出来なくなったら潔く辞めるのもプロで、プロ野球では
前者の代表が野村克也、後者の代表が長嶋や王貞治でしょう。いずれもも
プロとして見事でしたが、いずれにせよその引き際は本人が決めることです。
森光子さんは多分前者で、商業演劇として十分に観客も入るから公演も
続けられるのですが、何処で区切りをつけるのかは興味深いところです。
今の「放浪記」がプロの演劇としてどうなのか、劇評家の冷静な評価も
聞いてみたいところです。

長く勤めることの偉大さは十分承知した上で、女優としての実力で言うと、
杉村春子、田中絹代、山田五十鈴、水谷八重子の方が上だったと私には
思えるのですが、こういう比較自体が不謹慎なのでしょうか。
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by nakayanh | 2009-05-10 23:54 | つれづれ